北軽井沢倶楽部
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ガーデニングの近目と遠目/森・ガ

2014.06.26

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街を散歩する。いろいろなガーデンを訪れる。
私はいつも「このガーデンは近目ガーデンか遠目ガーデン」かを判定してこっそり点をつけている。
ガーデン全体を絵のキャンバスに見立ててみるとガーデンのオーナーが近目で花を見ているか、遠目で見ているのか緑と花の分量でわかる。
1つ1つの花を見ると美しく、素晴らしいのだが、ガーデン全体を見ると今一つということになる。
ただ、花は麻薬である。
ランニングハイと同じだ。
花がきれいにきれいに見えてどんどん植えていってとまらなくなってしまう。
ふと遠目でみればいつの間にか花てんこ盛りガーデンができている。
日本古来の花と昨今の品種改良バリバリの横文字園芸花との違いについて考えた。
“ひっそりと清楚にかつ可憐に咲く”という日本の山野草、私たちは近くで目を凝らし花を観察する。
近目凝視である。1株の花と緑のバランスも1対9ぐらいである。
ほとんどのぞき込むように花と接する。
昨今の品種改良バリバリ横文字園芸花は八重やら明度彩度が高く、グロテスクなので遠目ガーデニングに向いている。
1株の花と緑のバランスも5対5というものも多い。
私は東京のマンションのベランダで10年遠目ガーデニングを目指した。
もっともっと広大な土地で遠目ガーデニングをきわめてみたいと思い北軽に拠を構えた。
ところが皮肉なことに山野草の愛らしさに魅せられつつある。
広大な土地で遠目ガーデニングを目指してきたはずの北軽で、山野草の近目ガーデニングの魅力にとりつかれつつある。
昨日“白いクリンソウとシダの秘密のガーデン”に鹿泥土を大量に買ってきて“山野草ガーデン”として森に自生していたスズラン、
地元野菜販売所で売っていた白いシラン、クリンソウ、カタクリを移植した。
私はすっかり腰をかがめ、近目凝視で白いシランの花をのぞき込んでいる。
これは東京の狭いベランダガーデンでやっていたことと同じである。

私は今、何とか日本の山野草で遠目ガーデニングができないか思案中である。
遠目ガーデニングの最高峰であるカサブランカガーデンの横に近目ガーデニングの山野草ガーデンを新しく造った。
横15mのガーデンの左半分が遠目、右半分が近目、私は遠目と近目を行ったり来たりして思案している。
(KH)

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