電柱問題さえ起こらなければ、 建物の引渡しは本当は本日11月1日だった。 とはいえ、建物自体はほぼ完成していた。
土地探しに4年、2009(H21)年2月22日の土地購入から建物完成まで一年半。 土地探しから数えれば、すでに5年近くの月日が経っていてびっくり。
今回一番大変だったのが、建築士の先生探し。 何せ私達は過去に東京で中古マンション、 北軽で築25年の中古別荘を19年前に購入し、 工務店に頼んでリニューアルしたことがあるだけで、 建物を一から建てた経験なし。
予算も限られ、設計料を払ってまで建築士を雇うべきか迷ったが、 この一生で、最初で最後の建物の新築であるし、 “他力本願”をモットーとしているので、 やはりこれは先生にお願いする事にした。
途中いろいろあったが、さすがプロの知恵を借りただけのことはあった。 都会で疲れた人が森で遊ぶ為の倶楽部なので、 「質実剛健」「質素倹約」「鍛錬」みたいな言葉とは無縁の建物を目指したい。 今時のEco生活を意識しつつも、森の生活が楽しく身近になるように、 「頑張らない森の生活」のための工夫をした。
去年、初めて沖縄へ旅行した。 輝くばかりの海、あの赤い沖縄の屋根。 潮風にさらされ、あせてグレイッシュに風化した 木造りのやわらかくやさしく包み込まれる様な建物の風合い。 風が吹き抜ける間取り、外のコミュニティーに開かれた広い縁側。 それを見たとき、あー、今の都会生活者の我々が欲しいものは、 沖縄的な暮らしなのかもしれないと直感。 「北軽に沖縄を」をモットーに建物の建築を先生に依頼した。
いみじくも、目標とする八ヶ岳倶楽部は 「森の生活に都会を!」の考えが柳生氏の考えの底流に流れ、 森を楽しむための知恵として、枕木もたくさん使う。 だが、プラスチックのイタリア製の椅子、寒さを遮断するアルミサッシを取り入れ、 車を排除しないポリシー。
我々は、「質実剛健」「質素」「倹約」「鍛錬」的な北欧風(?)森の生活を目指さず、 「ゆるゆると、ほかほかと、アートの香りいっぱいの森の生活」とは何ぞやを目指したい。 「沖縄風」はその後、熟慮の末、「南プロバンス風」と我々の中では合体し、 それを目指すべく、この北軽井沢倶楽部の建物の建築を第一歩として倶楽部の活動をスタートさせたい。
軍資金の制限ゆえ、あの沖縄瓦は、ラッキーにも今年5月に新発売になった、 テラコッタオレンジ色のトタン屋根に、 国産の杉の無垢材は、安い輸入木材となってしまったが、 しっくいの壁や広い縁側はしっかり取り入れ、 完成にこぎつけられた。
ということで、北軽倶楽部の建物、是非是非見に来て下さい。 (KH)