北軽井沢倶楽部
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食と音楽 ピアノ

2021.08.13

 北軽井沢倶楽部、レストラン&カフェでは一流の食事にさらなる彩りを添えるべく、ご要望に応じて演奏家による楽器の演奏を行っております。

 今回は当施設で演奏されている楽器の一つ、「ピアノ」について紹介させていただきます。最もポピュラーな楽器で、この記事を読まれている皆さんの中にも昔ピアノを習っていた、もしくは今も続けているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もピアノの魅力に惹かれ、15年ピアノと長いお付き合いをしています。

 さて、ピアノは他の楽器に比べどのような魅力があるでしょうか。私は「多彩な音質」と「広い音域」と考えます。88鍵もある鍵盤を1つ押すだけで「ポーン」と音が鳴り、タッチの仕方による音色の変化もありますから表現の仕方は無限大にあります。しかしこのピアノ、多彩な音を出せるようになるまでにはたくさんの変遷がありました。

 ピアノの原型となったのは17-18世紀、イタリアのバルトロメオ・クリストフォリにより製作された「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」で、「弱い音(ピアノ)も 強い音(フォルテ)も 出すことができるチェンバロ」という意味があります。この楽器が発明される前のチェンバロではタッチの仕方だけで音色や強弱を変えていくことは難しく、例えばチェンバロで音を強調したいときには楽譜上の音の長さの1.5倍伸ばすことで、他の音よりも目立っている印象を与えています。

 音域も最初から88鍵の鍵盤が存在していたわけではなく、5オクターヴ(60鍵)から徐々に鍵盤数を増やしていきました。それはそれぞれの時代を生きた作曲家の作品にも反映されており、ベートーヴェン(1770‐1827)とリスト(1811‐1886)のピアノ作品の楽譜を見比べると最高音、最低音が違っているのがわかります。ちなみにベートーヴェンの楽譜には当時はなかった音域の音符が( )で表記されています。彼がこれからのピアノの進化を見込んでいたのが伝わりますね。

 88鍵の音域はすべてのオーケストラ楽器を網羅し、ピアノソロだけではなく協奏曲のオーケストラパートを伴奏することでピアノと他の楽器の共演が叶うことがあります。北軽井沢倶楽部の店内には白いピアノが設置されており、そのような演奏を聴くことができます。ぜひ足をお運びください。

当施設レストラン&カフェ内のピアノ